伝えることの難しさ

img20070922.jpg組織を強くする技術の伝え方』を読む。



人に何かを伝えるのに大切なことは、



1.まず体験させろ

2.はじめに全体を見せろ

3.やらせたことの結果を必ず確認しろ

4.一度に全部を伝える必要はない

5.個はそれぞれ違うことを認めろ



だという。



基本的に伝えるということが成立するのは、伝える側の技術と、伝えられる側の姿勢に影響されるんだとか。



伝える側は当然、自らの体験をテキストないしは言葉などで表すのであるから、その内容は加工される。これがへたくそなら、正しく伝わらないし、伝えられる側がそれらに興味がなければ吸収されない。



一番最悪なのは学校の教師のように、座学でテキストに沿って教えるだけの偽教師。テストで点取ることが目的ならそれでよいが、企業の中で技術を伝えるには適さない。企業内における教育担当が現場で十分に経験を積んでいないならなおさらだ。



考える癖をつけるための研修も無意味。考える練習をさせられないと考えられない人間を教育するより、考えられる人間を採用した方が手っ取り早い。



更には、企業が教育にて伝えなければならないことは、技術的な基礎部分や最低限のルールのようなものだけではなく、職人といわれるベテラン社員の心意気やら、組織全体の企業文化やら多岐にわたる。



2007年問題なんていうものの解決は、ただ単にマニュアルを作って引き継ぐだけではなく、それらも引き継がなければならない。極端に言うと、定年退職していく人の呼吸の1つ1つというところだろうか。



経営的な視点で見ると、自社のビジョンにあわせた人材を育てるのはとても大切なことと感じる。





それらを考えていくと、自分自身あまりまともな教育は受けたことがない。

入社した会社の新人研修なんて、冒頭に記した項目の「一度に全部を伝える必要はない」くらいしか満たしていないし。



ただ仕事以外での長期に渡る研修や他社への出向などが多かったので、様々な人達の企業文化や仕事に対する呼吸というものを直に感じることが出来たのが大きな財産。



この書籍を読んでいくことで、企業内における研修の無意味さを感じるし、更には外部に委託なんてしたものならなおさら。この書籍に書いてあるが、新人研修なんて配属までのモラトリアムに過ぎない。



個人的な感覚だと、業務外で行う半年くらいの期間で実施するプロ?よ。

なんとなく、客寄せパンダのまま終わってしまったようにしか見えない。



古田といえば、一流選手としてプロ野球界の人気を支えてきただけではなく、選手会の会長としてプロ野球の組織そのものを支えてきた功労者。



そんな素晴らしい選手の最後が、『こんな形でいいのか「ヤクルト球団!」』といいたくなる。



古田が一流の監督になれるかは、わからないが、ファンはそれを期待している。球団が選手を育てることはあるが、監督を育てても良いと思う。



このままだと、単なる集客のためのネタ作り監督だよ。





野村監督はよくマスコミの中で「4番がいない」「エースがいない」などと、ぼやくことで翌年の補強の課題をフロントに投げかける。



古田には、そういういやらしさがないが、逆にフロントが補強する形でサポートしてあげないと。今期のヤクルトは岩村の抜けた穴があからさまだったからね。普通だったら、そこを確実に補強するでしょ。



それなりにヤクルトの戦力が充実した時に、また古田を監督に読んでほしいね。そして、選手として引退式を盛大にやってほしい。



人を育てるには、機会を与えるだけではなく、常にサポートすることも必要なんだよ。



長嶋茂雄は、そういうのがあったから一流監督でいれたんだから。