ご機嫌な職場
この書籍のタイトルはこっちに変えたほうがいいと思う。
不機嫌な職場〜なぜ社員同士で協力できないのか
河合 太介 (著), 高橋 克徳 (著), 永田 稔 (著)
タイトルと反して、内容はいたって前向きなものが中心。
職場が不機嫌になる理由は役割分担による「タコつぼ化」だという。
社員が自分の役割さえこなせばという考えに偏り、協力意識が薄れていく。
ただ、先日のブログ(http://naotake.blog.drecom.jp/archive/375)にも書いたけど、企業内の効率化による役割分担は進む一方。
それにより社内コミュニケーションはどんどんなくなっていく。
そんな中、この本で大切だとといているのは「ビジョン」などの共通目的だ。
そして、社員1人1人にスポットを当てる社内報などの存在。
役割が分担されていても社員同士をつなげる仕組みをつくること。
とてもよい事例をあげており、読んでいてワクワクしてくる。
ただ、そのようなものを自ら作れない一般従業員はどうすればいいんだろうか?
システム開発のように激務な現場の人たちにそういうのを楽しむ時間があるんだろうか?
「不機嫌な職場」と感じているのは若手従業員。
マネージメントしている人たちには、あんまりここら辺は気づかない。
それを「ご機嫌な職場」になおすキーとなるのは経営陣やミドル層。
従業員はそういう場合、どういう風に振舞えばいいんだろうか?
やっぱり「自分探し」に走るしかないのかな。
ということは、この本はやっぱりミドル層向けだ。
問題提起から解決策まで同じ視点で書かれた本がそろそろ必要なんじゃないかな。
HACKS系の書籍は全く逆の考えで、効率化社会なんだからより効率的に仕事できた人が勝ちみたいな感じで幾分社会の共感を得ている。
これから、どちらが主流となるんだろうか。
楽しい職場作りか、効率化することによる割り切りか。
まあ、仕事を効率化して、みんなで仕事帰りに飲みにいくのが一番なんだけどね。