ぼくはこんな本を読んできた

立花隆氏の『ぼくはこんな本を読んできた』を読む。





立花隆氏のその読書量の多さは有名で、ジャーナリストの活動として、そのテーマに関するものは準備段階のうちに、書籍などにて専門的になるほどの知識を取得し、インタビューにのぞむという。



若いうちは小説などのフィクションを読みあさったというが、社会人になってからは、ノンフィクションが中心。また、出来るだけ隙をみつけ、そのテーマには関係ない書籍も読んでいるという。



そんな立花氏の読書に対する考え方が覗ける一冊である。



書籍の選び方や、書斎について、終始立花氏の読書に関する事柄綴られている。自分も出来る限り書籍を読みあさっているが、量においても質においてもその比にならないことを痛感する。



そして、これが立花式読書十四ヵ条。



立花式「実戦」に役立つ読書十四ヵ条



?本に金を惜しむな

?同テーマの類書を読め

?選択の失敗を恐れるな

?自分の水準に合わぬ本は途中でも辞めろ

?読むのを止めてもページだけは最後までめくれ

?速読術を身につけよ

?読みながらノートを取るな

?ガイドブックに惑わされるな

?注釈に注意せよ

?書かれていることを疑え

?オヤと思った情報はチェックしろ

??と思ったらオリジナルデータにあたれ

?難解な翻訳書は誤訳を疑え

?大学の知識はなにほどでもないー若いうちはとにかく読め!!




最後の「若いうちはとにかく読め!」というのが、その全てを物語る。20代、30代の読書量がその後の人生を決めてしまうとのこと。



そして、「脳」や「サル」について探求してきたその視点で、人類の知識欲の必然性から、知識欲のある人がその人類としての文明を積み上げてきたというのがわかる。人に知識欲がなければ、今ある世界は存在しなかっただろう。



知識欲のない人は30代そこそこで学習するのを辞め、今ある知識で残りの人生を生きていくのに充分だと、肉体的快楽を求め、酒を飲み、美味しいものを食べ、テレビを見てゲラゲラ笑うことに興じる。



それも大事だが、やはり自分の知識欲は敏感に感じ、それを満たすことを続けていくことは忘れないようにしたい。恐らく今の年齢は、知識欲を捨ててしまう境目だろうから。



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