教育と訓練の違い

近頃、学校の運動会の光景を目にする。



自分が小学校、中学校の運動会で思い出すことと言えば、競技よりも応援合戦。しかも、本番当日というよりも、練習の過程の方が印象に残っている。



毎日の放課後に遅くまで残り振り付けの練習を、男女学年問わず行っていた。思い出すとそういうのは、運動会に限らず、高校の学園祭もそうだった。



小学校・中学校のイベントでは事が終われば家に帰るだけであったが、流石に高校生ともなると一丁前に居酒屋を予約して、打ち上げをやっていたものだ。



特に高校3年で部活も引退し、受験を控えて毎日がルーチン化している時期には、気分転換にはとてもよい行事だった。





こういうイベントを教育側は、その配属先の学校側のしきたりとくらいしか考えていないかもしれないが、基は1つの教育プログラムの一貫として、計画的に企画されているものだと思う。



毎日、机に座って朝から夕方まで黒板を眺めている生活が続くだけだと、生徒も飽きてしまう。それを、春には体育祭、秋には学園祭という形で、上手い具合に精神面をコントロールしている。



東京大学の赤門祭は他の大学の学園祭と違って5月に行われる。その理由は、小さい頃から東大一直線の大学受験を終えた1年生が目標を失い自殺してしまうからだそう。5月に学祭をやることで、目先を変えている。



自分は、こういうモチベーションのコントロールも含めたものを教育というのではないかと思う。



機械的な教育プログラムではなく、人をベースとした教育プログラムこそが。





世の中に、「教育に力を入れている企業です」と大々的に宣伝している所は山ほどあるけれども、そのほとんどが目先の仕事を効率的に進めるための訓練に過ぎない。



恐らく、高校のイベントの練習なども、学習塾があるからといって出なかった人にとっては、こういう脇道にそれてのモチベーションコントロールを理解できない人もいるんじゃないだろうか。



1つの目標(成果)に向けたものに対して与えられるものは訓練。

人間的な成長に向けて与えられるものが教育。



じゃないかな。