プラスしてプラスする

インターネットを通じて様々な情報が手に入る。

本屋にいかなくても、本を買える。

電車の中でテレビも見れるし、夜遅くまでコンビニも開いている。



時間を効率的に使い、余った時間は更にいろいろなことに当てられる。

今月からは、久々に英語も軽く勉強しておこうと思い、ITMSから英語ニュースを登録し、毎日僅かな時間だけでも聴くことにした。



何かをやればやるほど、やりたいことが増えてくる。

いつになれば心が満足するのだろうか?



こういうのを臨床心理学的に治療をするならば、その不安を取り除くために「現状で満足」することを進めるだろう。逆に、人を不幸に導くには欲望を掻き立てることだという。



確かに、人の幸せは外的なものではなく、心の内面にあるのだから、現状で幸せであれば、それはそれで良いと思う。



ただし、一度夢見てしまったら、中々そうはいかない。「何とか頑張れば手が届く」と思えるのは、社会的なシステムがしっかりしているからだそう。アフリカなどの貧しい国では、どんなに頑張っても手が届くものではないというように最初から諦めがあるそう。



そんな日本のシステムだからこそ、様々な部分で格差が広がっていくといわれている。



そんな社会的な背景を基に心理学者達が現代の人達は何をしても、心が満たされないかのように取り扱う。



一方、当の本人達は意外と楽観的だ。

少なくとも、食事も不自由なく取れ、最低限の生活が出来ているのだから。



最低限それくらいのレベルの生活は将来的に保てる前提で、その上を目指しているのだから。何となく、現代社会そのものがゲーム感覚なのだろう。自分のスキルがアップすれば、また新しい世界が目の前に広がる。



そんな冒険を楽しんでいるのであって、不満足な環境を悲観的には見ていない。



ただ、冒頭にあげたように、ゆとりのある時間がなくなったのは事実だ。

そういう部分は精神的な影響は少なからず与えているのだろう。



そういう精神的なマイナスを補うためにも、仕事の量をマイナスにするのではなく維持し、プラスしてスポーツジムに通ったり、酒を飲みに行ったり、映画を見たり。



プラスプラスの生活が続く。



もしかしたら、何かを減らそうと思ったときが、1つの区切りなのかとも思う。

そういう時は、何時頃来るんだろうか?





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『こころの格差社会

海原 純子〔著〕

税込価格 : \720 (本体 : \686)

出版 : 角川書店

サイズ : 新書 / 222p