時間は何も解決しない

ベトナム戦争の最盛期、「ハノイヒルトン」と呼ばれた捕虜収容所で、最高位のアメリカ軍人だったジム・ストックデール将軍に因んだ「ストックデールの逆説」という言葉がある(ビジョナリーカンパニー2より)。



どれほどの困難にぶつかっても、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならない。

そして同時にそれがどんなものであれ、自分がおかれている現実のなかでもっとも厳しい事実を直視しなげればならない。




「どれほどの困難にぶつかっても、最後にはかならず勝つという確信を失ってはならない。」という信念は多くの人が持つものだという。だが、その後の現実の直視は、意外と行われていない。



ストックデール氏がいうには、捕虜生活にて生き残れない人は「楽観主義」が多いという。何の根拠もない「クリスマスには開放されるだろう」「感謝祭までには開放されるだろう」というような希望を持つものが、それが実現出来ない度に疲弊していくという。



これはよく耳にする「時間が解決してくれる」という言葉にも当てはまる。時間が解決してくれるのは「精神的な不安」という自己の内部にあるものだけで、現実に起こっている事実は時間が経っても何も変わらない。



または何もかも「先延ばし」にして、気づいた時には手遅れなんていうのも、同じ類だ。



地震が起きた時に死ぬ人は、意外と何も身動きが出来ずに建物の下敷きになる人が多いそう。素早く行動し家の近くにある小学校などの非難指定場所に逃げるのが最も良いという。



現状に不満を持ちながら、何も事実を直視していない。

または、将来の成功を確信しながらも、何も行動を起こせていない。



そんな状況は良くあることだ。



ただ、それでは自分の望みどおりにならないということも、明確なような気がする。