江戸前思考

北野武の『全思考』を読む。img20070624.jpg



面白いなぁ、この本。



若手芸人の頃から、あの交通事故の事。そして映画監督として。



それを通じて垣間見える人間臭さが。



その本質は「まじめ」で「クール」なんだけど、自分はコメディアンであることを忘れないようにテレビでは「悪ふざけ」をする。この本も、まじめな話かと思ったら、途中で笑いが入ったりしているので、とても楽しめるよ。



また、あれだけ大物になっても、細かい気配りは忘れない人間性は惚れ惚れする。「後輩に気を使わせるのは先輩が悪い」といって、若手の芸人と飲むときは、自分から場を和ますんだって。



この本は、人としていろいろと大切なことに気づかされるね。





下町育ちというか、「江戸っ子」なその思考も。

それが、映画作りにも大きく影響を与えている。



江戸前寿司はただ魚を斬ってシャリの上にのっけるだけではなく、コハダやアナゴなどを見てもわかるように、1つ1つのネタに丁寧に仕事を施す。



ハリウッド映画がマクドナルドなら、武の映画は「江戸前寿司」だよね。



そして、この本も江戸前的。

1つ1つの思考が本音で伝わってくる。



たまには、こういう本を読むのもいいね。