ウェブ時代の終焉???
なんとなく、これらを読んでみてウェブの世界の狭さを感じてきた。
ウェブ国産力 日の丸ITが世界を制す
佐々木 俊尚 (著)
明日の広告 変化した消費者とコミュニケーションする方法
佐藤 尚之 (著)
最近、クロスメディアが盛んにはなってきているが、自分のようにウェブに近い仕事をしていると、何でもかんでもウェブが中心にあるように思えてくる。
だが、それは違う。
一般的にウェブ=若者ってイメージがあるけど、実際のところは30代〜40代が中心。
最近の若者はウェブはやらない。
『ウェブ国産力』に書いてあるが、パソコンを持てない高校生などは、リビングルームにある家族共有のパソコンでは自分のプライベートが家族中にあからさまになってしまうので、携帯電話という自分だけの空間の方が居心地がいいという。
すると高校生とかは携帯電話を頻繁に使っているというイメージだが、『明日の広告』によると、男子高生は我々が思っているほど携帯電話を使っていないらしい。
メディアが広がりを見せている中、クロスメディア戦略も複雑化している。
メディアとなるとその他にもテレビや新聞、雑誌などがあるが、マーケティングをする上でターゲットとなる人たちとの「コンタクトポイント」がどこになるかを考えることが、これからの広告の鍵となる。
『明日の広告』にあるように、ナイキが公園のゴミ箱を消費者とのコンタクトポイントにしたように、ターゲットとなる層が触れる時間が長いものはなんでもクロスメディアの対象となってきている。
バスケをやる男子高校生にとっては、携帯電話よりも公園のゴミ箱の方が身近だという視点だ。
こんなことを考えているとウェブの価値(ちょいと前は絶対的だと思っていたが)がどこにあるのかわからなくなってくる。
思ったほどウェブは使われていないんじゃないかと。
クロスメディアにおいてはコンタクトポイントのハブとはなっているようだが、今後携帯電話に置き換わられるかもしれない。
ブログなどのウェブサイトはもしかしたら、テレビの視聴率を同じでマーケティングデータとしての価値しか見出さないかも知れない。
ただ、行動ターゲティング広告はそれらを大きく変えるかも知れないが・・・。これは注目だ。
で、ウェブというのは凄い力を持っている。
ただ、それはいづれコモディティ化して何の価値もなくなる。
闇雲に立ち上がるSNSなんかは、既にそうなっているとも感じる。
広い意味で広告を追いかけた方が充分面白い。
特にクロスメディアに関する部分は。
この2冊を読んでウェブというのはあくまでもツールというのを改めて実感してしまった。
ウェブをコンタクトポイントとしている消費者はごく一部。
そのほとんどがテレビやら公園やら、公衆便所の鏡やらからウェブへ誘導されてくる。
そこで初めて、Googleの出番となる。
ただ、コンタクトポイントにQRコードがあれば、携帯サイトに行ってしまう。
ここ数年、ウェブサイトを中心に物事を考えていたけど、もう少し広く考えるようにしなければ。
この2冊は良い気づきを与えてくれた。