学ぶことを学ぶー『本を読む本』
『本を読む本」という本を読む。
本を読む本
モーティマー・J. アドラー (著), C.V. ドーレン (著), Mortimer J. Adler (原著), Charles Van Doren (原著)
ちょっとばかり堅苦しい本ではあるが、言っていることは納得できる。
まず、本を読むには目的が必要だということ。本書の中では「積極的読書」と読んでいる。
目的のない読書でも楽しめることは多々ある。ただ、それは娯楽にすぎない。
この本で述べている素晴らしい点は、優れた読書は人を成長させるということ。
更に良書というものは、読書する人が成長して読み直しても新たに学ぶことがあるという。
この成長という点は目の前に教師がいることと対比させられる。
学校の授業は教師との対話が可能であるゆえ、後から解釈を直接質問することができる。
ただ、読書は目の前に著者がいないので、何度も読んだり自分の経験と照らし合わせることで、自分なりに解釈しなければならない。
その分、読書は大変ながらも人を成長させる。
勝間さんをはじめ読書に価値を置く人はこぞって、セミナーなどに参加するくらいなら読書のほうがためになるという。
それは、この点にあると思う。
セミナーに参加しても、姿勢は聞くことに集中される。
自ら、理解を深めていく読書に対する積極的姿勢とは逆をいく。
さらにいうと、セミナーは著名な人が来るから聞きにいこうという、目的が曖昧なものが多い。
その点、テーマを絞り、その時間を積極的に使える読書の方が効果が高いのは明らか。
考えたいときは、本を置いて間をおくこともできるし、他の文献をあさることも出来る。
自分の思考のパラダイムが変わるとても素晴らしいセミナーとの出会いも稀にはあると思うが、本当に学びたいなら、無料のセミナーを数多く回るより、読書をした方がいい。
学ぶことに積極的な姿勢をとれることが、何よりも一番だと思う。
その点、本書は学ぶことの本質をついた一冊だと思う。