ウェブ2.0の次に来るもの


それがウェブ3.0というわけではないかもしれないが、なるほどと思う内容。


インフォコモンズ (講談社BIZ)

インフォコモンズ (講談社BIZ)


インフォコモンズは「情報共有圏」という意味で使われており、例えばウェブで「北京」と入力すれば広い共有圏になるし「北京 観光」という形にすることで、共有圏も絞られてくる。


同じように、mixiなんかでつながっている共有圏や、amazonのレコメンドなんかも自分が何か買うことで、その情報を見ず知らずの誰かと共有していることになるし、逆に自分にも同じ共有圏にいる人たちの情報が入ってくる。


しかし、それらの情報が本当に有効な情報かというと、特定のアルゴリズムから導きだされるものなので、それは定かではないので、完璧な仕組みとはいえない。また未完全なものとして、グーグルの検索結果も検索スキルにより、必要情報が一発で得れるとは限らないし、mixiで音楽でつながっている友人がお気に入り登録しているものが、そのまま自分に当てはまるとは限らない。


簡単にいうと、何となくあるそれらの不完全さが、解消された状態が次世代のウェブサービスなんだそうだ。つまり、ウェブ2.0集合知が中心となり集められた情報から何らかの「結果」を導き出していたが、これからは「個」の嗜好に合わせた形で情報が提供されてくるというもの。


確かに、これが実現できたらとても情報の収集が楽になる。
同じような目標や興味を持っている人のブログを読むのは面白いが、その人が定期的にブログを更新するとは限らないし、そもそもブログを書いていないこともある。mixiなんかも含めて読んでいる情報は明らかに2つに目的がわかれており、それは「友人」だからという理由と、「ためになる」からの2種類。


その中で、「ためになる」ブログなんかは滅多に見つからないので、そんなのがアマゾンのリコメンドみたいに次々と受動的に知ることができると、ウェブもかなり面白くなるんだろう。


ウェブ2.0は「情報の発信と蓄積」という意味においては、かなりの障壁をさげ、多くの人が参加できる環境になった。ただ、それなりのスキルと日々の積み重ねがないと「ためになる」情報を見つけることは結構難しい。


結局、ヤフーニュース読んで満足してしまっている人なんて、結構いると思う。


そんな中で情報収集の障壁が下がると、便利になる一方情報を処理する能力も必要となってくる。
更には、ウェブを使ってない人との情報格差はますます広がっていく。
自分はこれらと関係する業界にいるから上手く使いこなせていないにしても、それなりの情報収集には現時点では役立てているが、結構同じ歳の友人でウェブなんか全くさわることのない人間は多い。


今の時点でウェブは情報洪水といわれているが、これらが実現することで洪水が一層進むのか、整理されることで、それぞれ個人にとってのダムのようになるかはわからないが、方向によっては自分らの世代の一部は化石世代になりえる可能性も含んでいるような気がするね。


本書が予測している社会が実現できたならば、自分自身が1日あたりに得ている情報量は充分なのかを意識しながら生活していかないと、そのうち取り残されそうな気がしてならない。情報を有効活用している側なのか、原始的に取得しているのみなのかでは、大きく差がつくんじゃないかな。