残業ゼロとかワークライフバランスとか


「残業ゼロ」の仕事力

「残業ゼロ」の仕事力


これについてはいろいろと考えることがあるが、それについては人それぞれなので、あくまでも自分が持っている価値観だと思ってもらえれば。


まず、残業ゼロでするなって言われたら正直困る。


なぜかって言うと、職務自体が営業やマネジメントをしていることがあり、自分自身が抱えている予算に対してコミットメントして仕事しているので、残業とかそんなの関係なく、出来る限り、その成果を出すことに対して残業するなって言われる筋合いがないんだよね。


はっきり言って、成果に対してコミットメントするのは胃が痛くなるほど大変。
悩みのほとんどが予算に対する結果で悩んでいて、その悩みをクリアする方法は仕事でクリアするしかないから、出来る限り仕事をする時間が欲しいのに、「早く帰って好きなことやりなさい」って言われてもストレスが一向に解消されずに、何か目を背けている感じがしてならない。
仕事の評価が時間単価か成果なのかによって、これは大分異なる。
時間を圧縮して残業しないで帰れるような儲かっている会社は羨ましいけど、結局それはそれでその仕組みを作っている方にいないと意味なく、儲かっているけど仕組み作っている方でなければ、それは歯車感が強い。


で、仕事の優先順位を決めて下位の方はやらないという選択肢を取ったとしても成果は変わらないかもしれないが、やるだけやってどうなのか?ってところで勝負しないと、自分自身後悔するし、今仕事をしている意味がわからなくなる。


特にチンタラやっているわけでもなく、SE時代に早く確実にというのは徹底して鍛えられた財産で、自分自身仕事の効率はいい方だとは思っている。その中で時間を延長することで最大限の効果を出せるとも考えているしね。


そもそもベンチャー(既にベンチャーではないかもしれないが)に居る理由は仕事がしたいからであり、優先度で下の方削ってしまったら、役割こなしているだけで、そこに居る意味がなくなる。自分自身であれこれ考えるから無限大に仕事が広がっていって、成果に対してはとやかく言われるが、やりすぎることにとやかく言われないからいいんだよ。


あと、もう1つは居場所の問題。
これは人によると思うが、Cnetの佐々木俊尚氏のブログ秋葉原連続殺傷事件について書かれており自分自身を理解する上で参考になる。人によっては地元の友人(ジモティー)が居場所になる人間がいれば、東京に出てきてそこで友人を作り居場所にする人もいる。でも、加藤容疑者のような人は地元にも根付けないし、就職で別の場所に出てきてもそこで友人も作れない。だから、そういう人の居場所としてネットというのは再評価されるべきという内容。つまり、居場所のつくり方は人それぞれ。


少なくとも、自分自身は1つ場所には根付かないタイプ。
昔から1つの場所や集団には2〜3年しかおらず、今いる場所が最高の居場所となる。だから、学生時代はバイト先を変えてはそこに居つき、就職先と言っても2社目だけど常に作業先の会社は変わっていたので、実は今で5社目という気分。その都度場所を変えればその場所が最高の居場所になる。むしろ過去の友人や仕事のメンバーなどとは数年に1回会うくらい(その時間的剥離をブログが補ってくれるので、とても楽になった)。


つまり、地元とかというような仕事以外に根付ける居場所がないので、ワークライフバランスには、特に興味がないんだろう。意識しなくても、読書したりゴルフやったり、寿司食ったり、美味しいもの食べたり、料理したりで、それなりに楽しめているものはあるからね。


あとは、仕事の内容を出来るだけ成果で評価してもらいたいという思いが強いからだろうか。学生時代が長く時給幾らで働いていたり、SEの時も単価決められていたりしたので、早くそこから抜け出したいって気持ちが当時は強かったからね。成果で評価される方が精神的には何倍も大変だが、それ以上にやりがいは強いしね。


まあ、これがUSKタンのように結婚したり、子供ができたりしたら、大きく変わるんだろうけど。生活環境が違うので、考え方も必然と違ってくるよね。


で、吉越氏の本の内容は単なる理想論ではないので納得が出来る。中には「ワークライフバランスが日本を元気にするから必要だ」と、それぞれの企業背景を無視しているものがたくさんあるからだ。


吉越氏のいう残業ゼロを実現するためには「仕事効率5倍」「集中できる環境」「何が何でも実行する」というような経営努力が多いに含まれていて、そこが納得できるところ。メンタルヘルス的な観点だと確かに長時間残業はうつ病の最大の原因となるが、その理由だけでうつ病で自殺者が出たときの担保として残業を減らして生産性をあげる努力をしない会社ってやまほどあるんじゃないかな。もちろんその代償は仕事効率の悪い若者へサービス残業や下請けへの無茶振りという結果で跳ね返ってくるんだけど。


で、経営者意識を変えることから始めないと、ワークライフバランス社会は実現できないというのが、これを読んで感じたところ。この手のビジネスをするのであれば、マーケティングの対象を女性社員や若手社員にして推し進めて採用されてもそんなのはルサンチマンにしかなりえず、日本の文化に根付くことはないでしょう。


吉越氏のように大企業でそれを実践した人が、その普及に努めるのは多いに価値があることだと思う。冒頭で述べたように成果に対する固執は遅くまで仕事をする原因になる。それを一番したいのは社長本人のはず。その社長が残業ゼロを推進できるのは、それで儲かるビジネスモデルも確立されているということ。こういう人がワークライフバランスを推進するのは、とても賛成だね。


自分自身は今は必要ないが、言っている意味はとても良くわかるので。