終わっちゃったよ

阪神ファンとしては悔しい終わり方。
でも、岡田監督の最後の悔し涙と、この本があればすがすがしい気持ちになれるね。


覚悟のすすめ (角川oneテーマ21 A 87)

覚悟のすすめ (角川oneテーマ21 A 87)


で、この本は阪神の4番打者である金本選手の自伝。
金本選手といえば、先に引退した清原と同学年ながら連続フルイニング出場の世界記録を持っており(今も継続中)、骨折しても休まない強い精神力を持つプロ野球界の鉄人。ただ出場しているだけではなく、今もなお4番打者としてタイトル争いに絡むんだから、とてつもなく凄い。


カープにいたころは、前田、野村、緒方、江藤らに隠れてしまっていて、今の阪神でいうと葛城とか林とか鳥谷のような存在だった印象。それが阪神に移籍し、歳をとるごとに凄いバッターになっているような気がする。


プロ野球選手としてはかなりの苦労人で、高校卒業後には浪人も経験していて、プロでレギュラーを獲得したのも20代後半。遅咲きの選手ながらも2000本安打達成は凄い。


なんで、金本がこんなに凄いのか。それは、20代の頃から30代後半になっても同じ動きが出来るようにトレーニングをしていたからだという。


それを表しているのが、本書の中のこの1文。

これまでしてきた努力はこれまでの成果として現れたのであって、これからの成果はこれからの努力によって築いていかなければならない。


納得。


で、4番は怪我をしていてもそこに居るだけで相手を威圧する。4番は体が充分ではなくても打席に立っているだけでも意味があり、それをわかっているから休まない。しかも、誰よりも高い給料をもらっているからこそ、オフシーズンも一切遊ぶことなく、翌年1年間のために毎日トレーニングをするという。


「社長出勤」なんて言葉があるが、社長にかぎらずだけどその会社の4番がいなくても何とかなるのは、何となくおかしく感じる。社長なんて何もしなくても座っているだけで、意味があるからね。まあ、4番抜きで戦えるほど、強いチームであれば「社長出勤」も、いいのだけれども。


そういう立場を理解して全試合出場するという「覚悟」。そして、覚悟を実行するための行動。
4番がこんな形で手本をみせていれば、そりゃチームは強くなるよ。金本が入ってから阪神はほとんどAクラスだからね。


で、単純に阪神ファンだけが素晴らしいと思えるような本じゃないよ、これは。
努力家を目指したい人は、この本読んだほうがいい。
ひたすら残業して仕事頑張るとかとは違う、本当の努力の意味がわかるかもしれない。


※金本選手のブログ
http://kanemoto-message.tblog.jp/