消費活動はどのように変わるのか


久々に、消費についての本を読む。



世界恐慌以来の不況がくるということで、今後の世間の消費活動が気になる。
ちょっと前はロハスだとか「自分らしさ」的な消費が話題になったが、今後はどうなることだろうか。


で、本書はタイトルと内容がずれていたので、とても読みにくい。
タイトル的には消費者からの視点だが、内容はヒット商品からの視点。
つまり、ここ1、2年のヒット商品の解説といったところ。
特に、もの新しい目線もなくイマイチ。


「大衆」自体は、モノがあふれ出した90年代から、とっくの昔に終わっている。それが、SNSなどウェブの普及により周りからの影響でモノを選択する人が増えたのは周知の事実。そして、「自分らしさ消費」というのは、数ある商品データベースから自分の好きなものを選んで組み合わせた結果。海外からネットショッピングなど人と違うデータベースを持つだけで、「自分らしさ」と認められる。


選択肢が多くなりすぎると、人は選択することをやめてしまうという。今の世の中、口コミなどの話題性でヒット商品が生まれるのは、まさに選択肢が多いから。そうすると、テレビなどで露出度が多いものや、ネットでたまたま話題になったものなどがヒットしやすい。しかも、流行語大賞と同じで、ヒット商品は1発屋が多く、長続きしないのも今のご時世。モノの少ない時代は質の良いものを作ればよかったが、モノを売るには、今は話題性を作ることも必要となる。


そんな中、本書のタイトルにあわせた内容であれば、わずかに触れていた「ライフログ」に焦点をあててほしかった。著者はそこへの知識がちょっと浅はかなのがわかる。ゆえに、本書が自分が期待していたところとずれていた理由で残念でならない。amazonのおすすめ商品は近いけどもうちょっとライフログは深さがあり、将来的に可能性があるものなのに。ゆえに、本書は全般的に3年前くらいから始まったトレンドを分析しているに過ぎない感が強いね。


で、冒頭の話に戻るが、消費者が不況に対してどう反応するか。
燃料高等による食材の値上げもそうだけど、マスメディアが危機意識をあおることは、消費に大きく影響してくる。小麦粉なんて1年に1回しか買わないのに、それが30円くらいあがるだけでヤバイと思うからね。最近、勤務地が恵比寿から高田馬場に変わって、平日の食費がだいぶ落ちたけど、勤務地が恵比寿とか広尾になったとか、いつもいく居酒屋のビールが10円値上がりしたとかというほうが、消費にあたえる影響は大きいに違いない。


ただ、そんなことはニュースにはならないので、あんまり危機意識なんておきないからね。世間の奥さま方もそんなことで騒いでいないで、旦那の会社や業界がどうなのかだけを、ある程度ウォッチしておいた方がいいと思う。食材の値上げより、身近なもので財布にあたえる影響は多い。テレビばかり見てるとそう感じちゃうもんだけど。


何でもそうだけど、不景気だからこそ、いろいろと見つめなおせるし、安くても良いものが見つかったりするからね。マーケティングに左右されていた時代から、またしばらくは「自分が満足すればいい」というような消費に変わるんじゃないかな。一時期は、食材1つ1つにこだわっていた人たちが、スーパーとかのプライベートブランドにシフトしてるところが、そう物語っているような気がする。