トヨタ流に学ぶWEB2.0の企業への適用・・

ブログなどにて情報を発することで、個人の中に埋もれていた暗黙地が徐々に表出するようになってきた。ブログは個人の日々の体験や考えが記述されたもので、1人1人の細切れの時間を扱っている。それを集約することでアイデアが溜まり、組織として発展していく。



この手法を、ブログ世に出る前に、真っ先に組織に取り込んだのは「トヨタ」ではないだろうか?



トヨタ流経営においては”カイゼン”がその根底にあり、経営者から工場のラインに属する社員まで、数多くの提案が出てくる社風が、その強さと評される。



そう。WEB2.0におけるCGMと同じ概念。



量で勝負している企業って、こういうの苦手なんだろう。



売上高をあげるのは大量生産とコストカットしかないという考えでは、こういうものって受け付けられないんじゃないかな。それこそ、その企業がメーカ(あるいはサービス業)か、それを支える下請けかっていうのを振り分ける指標かと思う。



これは、ソフトウェア開発企業では顕著に見れる例。

トヨタ流を真似するものの「品質管理」しか頭にない企業が多い。これによって、結局従業員の無償残業が増えたりする。「品質管理」と言いながらも、その実態は「コストカット」なんだから。従業員のアイデアはあまり必要ない。



逆に売上を上げる方法は、頭数を増やすか、従業員の受注単価を上げることくらいしか出来ない。月額単価を5万円上げるために、全社をあげて資格取らせるのであれば、そのビジネスモデルも限界がある。そのままだと、自転車操業は抜け出せない。



逆にメーカーはアイデアが出れば出るほど売上が上がる。アイデアが作るビジネスには限界はないからね(逆に安定性はないけど)。



メーカーにおいては「アイデアの数→売上」だけど、下請けは「頭数→売上」となる。多分、ベンチャー企業でありながら、「頭数→売上」のビジネスモデルを進める限りは、町工場と同じ運命になるんじゃないかな。それなりの「量」を獲得すれば、そこそこの波には乗れるけど。経営者も従業員も時間と共に疲弊してくる。





で、トヨタはメーカーだからこそ、あの手法で成功したんだろう。



結局のところトヨタ流っていうのは「戦術」を表しているもの。

いくら戦術を真似しても、根底にあるビジョンや人員、収益モデル、ビジネスプランなどの「戦略」がないと機能しないような気がする。



だからこそ、WEB2.0をビジネスに取り入れるのも、その効果を問う前に、戦略を見直したほうが良いのだろう。経営者がブログで情報発信しても、ビジョンが伴わないと、何の意味がないように。



3年ほど前に「トヨタ流」の著者若松氏の講演を聞いて以来、「トヨタ流って凄いけど、真似してもあまり上手くいかないんじゃないの?」という疑問を持ったが、これがそれに対する、1つの答えになるのかと思う。



様々なWEB2.0ツールのヒット要因を逆に経営の本質に落としていくと、結構面白いことに気づくことが出来るんじゃないかな。この探求は、ちょっとはまりそう。






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Web 2.0 ツールのつかいかた

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