こちら側の情報システム

自分は今までとある企業に閉じられた「こちら側」といわれる、情報システムに携わってきたが、今はインターネット上でオープンにされている「あちら側」の情報システムサービスを仕事としている。



おかげで、こちら側にいると気づかないことに、徐々に気づくことが出来る。



「こちら側」の人たちは、情報システムに「あちら側」が来るのはまだまだ先だと思っているような気がする。これは、その区別が、イントラ内に閉じられたものか、ウェブ上に解放されたものかで見ているからだ。



でも、その側面だけで見るのは危険だ。



その区別とは、WEB2.0をわかりやすく定義しているだけであって、その本質ではなく、実際のところ区別できるものではない。



自分は、常々WEB2.0はビジネスありきで発生してきたもので、定義を元に生まれてきたものではないと思っている。



じゃあ、それは何かといったら、「破壊的行為」。



WEB2.0的な、ユーザーにとって有意義な、サービスが今は簡単に作りやすい環境が整っている。



つまり、資本がなくても容易にビジネスを創れる時代になってきている。



だから、わずかな資金と、とびきり優れたアイデアが、既存の仕組みを破壊してしまう。それこそ、WEB2.0の定義ではないかと思う。





そして、企業内システムにも近いうちにチープ革命がやってくる(実は、もうやってきている)。ブログの概念同様、プロミングがわからなくても構築できる企業向けシステムも、徐々に出始めている。



もし、そのような破壊的なビジネスモデルが主流になったら、SEを人月で売っている情報システム産業は身動きが取れなくなる。



破壊されるのは、サービスよりも価格破壊ではないかな。

今までと同じ価値観で勝負しても、価格勝負で負ける。



徐々にオープンソースソフトウェアが市場で認められれば、大きな差が出るし、WEB2.0的なシステムは設定や運用保守に、ユーザーが手間を要さないサービスとなので、喜ばれる。



WEB2.0企業の法人進出とは、そういう価値観で展開するだろうし、当たり前のように、そういう仕組みを取り入れる企業も出てくるだろう。もしかしたら、有名な巨大企業が、そういう技術を取り入れるために、次から次へとオープンソースのエンジニアを抱えたベンチャー企業を買収していくかもしれない(当然そんなことしたら、そこにいる有能なエンジニアのほとんどは辞めていくけどね。彼らは価値観の違うところでは働かないので。)。



実際のところどうなるかはわからないが、当たり前のように意味なく巨大化しすぎた亀のように動きの遅い企業や、事業転換する体力のない企業から淘汰されていくんだろうな。