どういう組織が理想なんだろうか?

昨日紹介したこの本は、内容が凄すぎて感動。



一文、一文じっくり読んでいるので、中々先に進まない。















今回「なるほど」と思ったのが、組織として知識を創造するプロセス。





これは、1人1人の知恵が元となり、それがプロジェクト、事業部門、そして組織というボトムアップで成立つこと。そして、最終的にその集約された知識が1人1人に還元され、また新たな知恵が個人から沸きあがる。



これは、ピーター・M・センゲが『最強組織の法則』にあげている、「学習する組織」と同様の考え。結局、組織として最高のパフォーマンスを出すには、構成する1人1人が知恵を出し合うことになる。





多くの組織は、社員1人1人の能力強化ということは、わかっていても、恐らくこのプロセスには気づいていないんだろう。ボトムアップではなく、トップダウンで教育を施そうとする傾向が強い。



大切なのは、その前に1人1人が学習したいと思う環境を作ること。





その環境を作ることは非常に骨が折れるんだけど・・・。でも、それをやるためのヒントが自分の目の前にちらほら現れてきている。



今まで自分は3つの企業に属し、営業として様々な企業の中身も見てきたが、やっぱり自分の仕事に直接影響を与えるその組織の責任者の振る舞いに、左右されているように思える。



その人が1人1人が知識を出し合うのが無駄だと思えば、その組織は学習しないし、それが必要と思えば、学習する組織となる。



これは「ピグマリオン効果」的なものもあるのかな〜?

もしくは、人の判断基準を混乱させることに「善」の行為は論理的に間違っていても正しいと思ってしまう人の習性も影響しているのかも。学習することは面倒なことだけど、悪ではないからね。影響力がある人が学習していれば、正確に内容を判断しなくても、その行為を真似するんじゃないかな。



いづれにせよ、学習する環境をどう作るかから考えないと、何にも効果が出ない。ほとんどの企業が同じ業者に研修を依頼しないで、毎年とっかえひっかえやっているのは、お互いがこの部分を把握していないからなんだろう。





社員1人1人を変えるためには、それを指導するカリスマ的な社員が必要であること。当然、そのカリスマ社員をその気にさせるのは、その上の経営者たちの態度にもよる。



経営者が組織としてどういう環境を作るか。そして、その考えをどうやってボトムに落とすか。そこで文化が形成され、上に吸い上がる。そして、それが再度1人1人に還元される。



おっ!これは弁証法ってやつだ。書きながら気づいた。

常に螺旋的にプロセスが変化しているね。





ここまで、明確な考えはこの本読むまで自分でも持っていなかったが、前職ではこんなことの必要性をいつも経営者達に向かって言っていた。



そこで返ってくる答えはいつも「鶏が先か卵が先か?」という回答。何となく経営者が先という考えは持っていたが、それは明確な裏づけはなかった。





でも、この本を読んで、やっと「経営者が先」と理解できた。



また、転職する時にほとんどの年配者に「どこの会社に行っても結局は一緒だよ」と言われたが、学習する組織という観点。いいかえれば経営者が創り上げる文化は、その企業それぞれだと感じているところだ。