WEB2.0→→→?

WEB2.0に関する書籍は、今年1年で何冊くらい出たんだろうか?どれもこれも同じような内容で、山のように出ていたが、そのほとんどが各論で、総論を述べているものがほとんどなかった。



そのブームのきっかけとなった『ウェブ進化論』が出てから大分たって、やっとまともに総論が書かれた一冊が。あの田坂広志先生の『これから何が起こるのか』。そのサブタイトルが『What Will Happen to the Whole System of Capitalism with Web2.0 Revolution』ということで、WEB2.0革命による時代の変化について書かれていることがわかる。



img20061217.jpg内容は、いたってシンプル。今まで各論ばかりのWeb2.0関係の書籍で結局それを理解出来なかった方にはオススメ。それらの本は「You Tube」や「Amazon」「Google」などの詳細を述べるのみで、それが出てくることでどう変わるのかは書いていなかった。



この書籍は、どう変わるかという視点から書かれているので、とてもわかりやすい。ただし、Web2.0を知り尽くしている人には物足りないが。



で、この中で注目すべき点はこれからは消費者が中心の社会であること。この情報社会の中、消費者は既に情報を取得し競合他社との比較を終えた時点で、企業側と接触する。これにより企業側の戦略は大きく変わるだろうと。



先週読んでいた『アドボカシーマーケティング』と同様の内容。企業側はこれからは消費者に対して包み隠さず情報を開示し、購入の手助けをする時代となるという。



ただ、それはそうだけど逆に情報を取得できない人は、損する時代だ。ウェブリテラシーが低いと、今までどおり店舗をはしごし、比較して、欲しい商品を探し、時間と体力を浪費することとなる。



また、このように知識が簡単に身につけられる社会では、企業のあり方も変わってくる。一部の役員などが自分の保身のために、そのノウハウを隠して通用する時代は終わった。知識が平等になり、「知恵」で勝負する時代となる。



益々、創造力が必要となる社会となるだろう。





で、まだWEB2.0について、着いて来れていない人は、この本と『ウェブ進化論』『WEB2.0ツールの使い方』の3冊を読めば、大抵理解は出来ると思うよ。多分2007年になるとWEB2.0は死語になるんだろう。その辺が、田坂氏がWEB2.0をタイトルに使わなかったところに現れているような気がするね。