人が相手か、しきたりが相手か

交渉術」っていうのは、鍛えられるものなんだろうか?



人が相手なので、とても難しい。



更には、相手が自分の感情を無視して、組織のしきたりで対抗してくる場合。



さらに、困難を極める。





BtoCによる個人消費者が相手の場合。

これは、話をしていても感情が伝わるし、落としどころは掴みやすい。

更には、その個人自身が決定権を持つんだから。







でも、BtoBの場合。



個人の感情はある程度察することが出来る。

たとえ、組織のしきたりに順じていて、演技をしていたとしても・・・、逆に、演技が見え見えの方が大変だ。お金や期限など定量的な壁をクリアしないと、その交渉は先にはすすまない。



また、「フット・イン・ザ・ドア」や「ドア・イン・ザ・フェイス」などを使って、当の本人を落としても、稟議という多数の客観的な視点に押し潰されてしまう。





結局のところ、交渉術というのは情報戦だ。





交渉先の企業の懐具合や検討状況だけではなく、競合情報、更には、おしゃべりな担当者を掴まえて、必要な情報を頂戴する。更には、最終決裁者の感情という情報を取得できると更に強い。



こういう複雑さを極める中でも、交渉が得意な人は、どういう人なのかを考えてみる・・・。





恐らく、交渉術が得意な人というのは、心理を動かせば、それで交渉が完結する人との交渉権を手に入れられる人なんだろう。



交渉術をいくら覚えても、交渉が成立できない人は、交渉相手を間違えて、ひたすら交渉していると思う。



とすると、それは交渉じゃないね。



調整だ。



これは仮説ではあるが、交渉術を身に着けるには、誰と交渉すればいいかを見つける勘所なんだろう。





この検証を、3月末までのテーマにしよう。







それにしても、こういう心理学は面白い。



何が面白いかって言うと、自分では意識しなくても、それなりの術を自然と使っているということ。



じゃあ、それを意識して使えば、ことは上手く運ぶか?











否!!









相手が人なんだから、テクニックじゃ上手く運ばないよね。





交渉権のある人まで辿り着いた時に、自分に信頼を置いてもらえるような魅力が、まずは大事なような気がする。



最終的には、相手は人だから。



詐欺とかやって、その人との関係性は気にしなくてもいいなら、テクニックに頼ってもいいんだけどね。