四の字固めの工数削減???
半端じゃなく、面白い本をブックオフで発見。
それは、『プロレスの経済学』というタイトルの本。
パラパラとめくると、「新日本プロレスとWWFのビジョン」や「長州力復活への意思決定」「TAJIRIに学ぶグローバル戦略」「ノアに見る組織論」「高田延彦のコーチング」など。そして、最も気になったのが「四の字固めの工程をカイゼンする」。
更に、この本の著者はきちんと大学で教鞭とっている人なんだから。
そして、読みすすめると真面目にプロレス会を分析しているし、とてもわかりやすい。
新日本のビジョンは「プロレスは最強の格闘技」であり、それに伴う猪木の行動や、ノアを旗揚げした三沢光晴の組織論、更には海外で成功したTAJIRIをコカコーラのグローバル戦略と比較したり、桜庭を育てた高田延彦のコーチングのスキルなど、プレレスと経営論が好きな人には、最高の内容。
特に面白かったのが、K-1やPRIDEと比べて、相手に怪我を負わせないというのが前提のプロレスは、選手が怪我で離脱することが少ないため、確実な興行が出来るというところ。
「そこまで、考えるか???」と突っ込みたくなるくらい面白い。
それも何より、著者がプロレスを愛しているからだろう。
職務分析のサンプルでは、能力チェック表のサンプルを掲載しているが、「受身の上手いレスラー」が邪道であることや、技のくらいっぷりの良いレスラーが阿修羅原(あの巨体でハンセンのラリアットを喰らって空中で1回転するところが良いらしい)というところが、マニアぶりを伺わせる。
何でも、四の字固めの工数を削減したいのは、それが出来れば、PRIDEやバリートゥードでプロレスラーが使えるからだと。そんなことを本気で論じている、この本は最高に受ける。
これを読んでいて、プロレスに熱中していた頃を思い出す。以前、梅田望夫氏が自身のブログで、プロレス好きでYOU TUBEで過去の名勝負を片っ端から見たことを綴っていたので、自分もそうすることに。
そしたら、結構出てくるね。とても懐かしい。
で、この書籍の理論が現実のプロレス世界に当てはまるのであれば、新日時代の猪木のように素晴らしい経営者が現れることで、またプロレスが盛り上がるに違いない。
そんな期待が持てる、素晴らしい1冊。
腹抱えて笑えるところやら、納得できるところやら、懐かしいところやらで。
プロレス好きで経営にも興味がある人は、絶対買いだよ!!
このまま、埋もれてしまうにはもったいない。
(それにしても、タイトルは「経済学」だけど、中身は完璧な「経営学」。何でだろう?)