顧客至上主義にこだわる

顧客至上主義という言葉は良く使われるが、思うように出来ているかは、中々実感できない。



顧客至上主義を貫くための行動とは何なんだろうか?





その前に、自分自身がどのような職務かもポイントになる。



『プロフェッショナル言論』の序文に「プロフェッショナルは自由な職業である」という一文がある。





自由ということは、逆に仕事をする時間にも制限がない、いわゆる結果第一の成果報酬が主体なので、顧客に効果を与えるまでやらなければならない。





自分も様々な業務に関わったが、会社や上司から仕事の範囲を制限されることがある。特にシステム開発という仕事の現場では、働いた時間に対する単価のため、必要以上の仕事はしないように抑制される。



顧客の要求通りに、出来る限り最短の時間でシステムを開発すること。





ここに、顧客第一の思想は存在するだろうか?





こういう疑問を持つ中、何かの書籍にIBMで女性で始めて役員になった方の、若い頃の話にとても感動したことがある。



当時は、男女雇用機会均等法もなく、女性はIBM内で残業が認められていなかったという。そんな中、その女性は顧客満足を得るために、夜遅くまで毎日トイレに隠れて仕事をしていたらしい。





ここに、仕事の原点を感じる。

そこまでのことを顧客のためにしてみたいと思った。





結局のところ、プロフェッショナルな仕事をしているかは、時間単価の仕事か?価値創造の仕事か?ということになる。



時間単価の仕事では、規定時間外だとベルトコンベアが動かない。だから、働きたくても働けない。



マネジメントというのは大切であり、ある程度の役職になると、どうしても仕事に数字がついてくる。その数字を守るのは当然だが、経営者はその数字を部下に押し付けてはならない。



出来る限り若い人間に対しては、時間の制限を設けずに、とことん顧客が満足することをやらせてあげれば、それは素晴らしい企業になるんだろう。



そして、そういう環境で徹底して仕事をした人が、経験を積むことで真のプロフェッショナルになっていく。





プロとはそういうもんじゃないのかな?





「それをやるには時間がありません」「仕様書とは違います」「上司に確認します」な〜んて言葉を発した瞬間に、顧客からの評価はがた落ち。



それは、ただのアウトソーサーに過ぎない。

当然、そういう方向にいる企業もアウトソーサーどまり。



価値創造できる企業にはならない。





ある意味、プロフェッショナルとなるには、自分自身の考えが最も大事だが、その考えを反映できる企業にいることも大事なんだろうな。