128億円の損失

2月9日の日経産業新聞に書いてあった、SI企業であるTISの損失。



JCBの新システム構築の案件が主な損失だそう。



確か、この案件事態1年半くらい前から始まっていた。

まだ、始まったばかりなのに、JCB案件構築のニュースリリース日経新聞で発表されていた。



何で、この時期にと思ったが、案の定。



ニュースリリースでの発表を引き換えに、営業が値引きしたんだろう。

当時、TISはカード会社向けのパッケージを一番のコアコンピタンスに持ってきていたから、戦略的に受注する気持ちはよくわかる。



日本最大のカード会社の受注は大きな宣伝になる。





結局、それの被害を受けたのはシステム開発側。

そして、それの下請け企業も。



500人月近い損失を出しているというこの案件に出口はあるんだろうか。



もし、途中でそれまでのものを捨てて新しいものを作っていれば、30億円くらいの損失で済んでいなかったのだろうか。



受注に目がくらんだばかりに、失敗したSI企業の典型的な例。



しかも、新聞紙上でTISのSE単価が250万円と公表されている。

その下請けが貰えるのは、せいぜい3分の1だ。



確か、10月頃にも、進捗状況が相当やばいという記事が新聞に載っていたが、まさかここまでになるとは。



システム開発の請負は、安定した収益が得られる方だ。

でも、こういう事件があると、結構考えさせられる。



実は、この案件は全く他人事ではない。

とあるつながりで、関わっている人がいる。



だからこそ、驚きも大きい。



SI企業としては、不二家の品質問題に匹敵するほどの、大きな世間的損失が今後発生するだろう。



SI企業は、ここ最近効率化ばかり追っかけているような気がする。



これは、改めてその経営の方向性を見直すきっかけとなる、重要なニュースだと思う。