企画の基本書(『パワポ使いへの警告』)

パワポ使いへの警告』は、パワポ使いを非難することに特化した一冊ではなく、企画の作り方の基礎を記したものである。

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その冒頭にあるのがタイトルの内容であり、いわゆる「あるある系」。



パワポ使いが陥る6つの罠は、確かに良く見る光景だ。



1.パワポで企画書を書きながら企画そのものを考える

2.企画の全体像を考える前にディテールばかり目を向けてしまう

3.いつもの企画書を使いまわす

4.パワポの機能で出来ないことは諦めてしまう

5.「カット&ペースト」でデータを切り貼りして企画の流れを見失う

6.アニメーション機能などの演出に凝りすぎて企画の本質を忘れてしまう





特に1〜3は、いろいろな企業を見てきたけど、しょっちゅう目の当たりにする光景だ。ひどい場合は、顧客にヒアリングする前に、いきなり提案書作り出す人もいるくらいだからね。



まあそれは、やる方もやる方だけど、教えられない方も同じことやってるんだから、組織自体が進化していかない。



自分も企画を勉強したくてビジネススクールに通ったけど、それは、それまでは「企画は最も苦手」なものだと感じていたから。他の人も同様で、自ら勉強した人とか、何となくやった企画が上手く行ったような人でないと、それって部下に教える自信が沸かないもんなんだろうね。



企画に関する本が世の中に山ほど出ていて、それなりに売れる理由がここにあるんじゃないかな。



そんな多くの本の中でも、更に基礎的なところから親切丁寧に説明している企画の基礎を書いた1冊だと思う。



この本は、冒頭にあげた6つの罠に陥っていた全ての人に教えてあげたい良書だ。