ドコモとソフトバンクのCM
山本直人氏の『売れないのは誰のせい?』を読む。
サブタイトルにあるように、最新マーケティングの入門書。
マーケティングを知らない人には、とてもわかりやすい一冊。
特に、消費者の行動スタイルが「AIDMA」から「AISAS」に変わったなんていうところは、ちょっとでも古いマーケティング書を読んでも、乗っていないからね。
商品によって、テレビでのPRが得策か、ウェブでのPRが得策かなんて書いてあるところは、とても参考になる。簡単にいうと、衝動的に買えるものはテレビ、じっくり検討するものはウェブで。
これ読んで思ったけど、ドコモのCMは完全に、その住み分けを間違えているような気がする。
生まれて初めて携帯を買う人にとっては、あのようなCMは得策だけど、機種変更を促すのであれば、得策じゃないんじゃないかな。機種変更となると、今までの友人への通知から、料金プランまでも変わるので、じっくり検討が必要となるでしょ。
あと変える要因といえば、ウィルコムの「W−ZERO3」のような、まったく今までにない機種があることくらいかな。
この書においては、ソフトバンクが「通話料0円」をCMで流したのは公正取引委員会にも目をつけられ失敗だとあるけど、自分はそうは思わない。
インパクトを与えるために「0円」は有効な作戦であり、じっくりウェブサイトなんて見られたら、それがインチキだってすぐばれてしまう。
ナンバーポータビリティの直前に、一線を越えた過大広告を出したのは、確信犯的な作戦だとしたら、このCMはソフトバンクの「安さ」を訴えるのに、最高のパフォーマンスだったかもしれない。
そこが、ドコモと孫さんの違いなのかもね。
で、本題に戻るとこの1冊は、今からマーケを勉強しようとする人にはお勧めです。事例も新しく、とても面白い。
ちなみに、自分と山本直人氏はいろいろな方面の人を介してつながっているので、いつかこの人とお会いすることがあるんだろうと読んでいるうちに思った。