意見が否定されるのは・・・

弁証法的な議論って、あんまり出来たことがない。



弁証的とは、自分の考えと全く対極的な考えという相反するものを、お互いを殺さず、新たな価値を創造すること。



野中郁次郎氏は、この弁証的な取組みがイノベーションを生み出すという。



その相反するものがぶつかり発展する過程には、いくつかの条件があると思われる。その大前提は「思い」だろう。



自分も相手も強い「思い」があれば、お互い尊重しながらコミュニケーションがとれる。たまに「どう?」なんて企画書見せられて意見を求められることがあるけど、「思い」がないものに意見なんていえない。せいぜい「もうちょっと企画が進んだら見せて」くらいしか。



お互いが真剣に議論するからこそ、議論に価値が出る。



それと、次に大事なのは、その人との人間関係。

本質的に認めた相手であれば、どれだけ反論されてもムカつくことはない。それは相手も同じことだと思う。



昔からよくビジネスに必要なものとして「人脈」という言葉が使われる。

自分はビジネスにおける人脈とはどれだけ「有名な人と知り合いか」とか、「たくさんの知り合いがいる」とかということではなく、自分の真剣な思いを理解してくれている人が「様々なチャネル」にいるということだと思っている。



自分に真剣な夢や思いがないと「人脈」は出来やしない。



人脈は社外だけではなく、社内にも求められる。

昔はよく会社に提案したものの、「うちの会社の文化に合わない」とか、「それがルールだから」という、納得できない理由で却下されており、その度に腹を立てていた。



でも、それは自分が未熟であったためだろうと、最近は感じている。

「あいつに任せれば何とかなる」と思われていない、自分の真剣さと人間関係が弱いんだろう。



そうやって否定された時に自らの意見や思いを伝えることで、弁証的な議論が出来るようになる。



コーチング的には人の意見は否定するなっていわれるけど、イノベーションには思い切った否定も必要。ただラポールが出来ていればだけれども。



と、野中郁次郎氏の本を読んで思ったこと。

野中氏の理論は、組織においての人間的な成長も必要としているので、とても勉強になる。