絶望的かぁ・・・
インフォテリアUSA社長江島健太郎氏のブログ(Kenn's Clairvoyance)に〜 ニッポンIT業界絶望論〜というエントリがあった。
http://japan.cnet.com/blog/kenn/2007/11/09/entry_25001425/
システムの受託開発は
「最も低水準なサービス財と同様、たった一人の顧客に届けられる。以上おわり。」
というように、将来性のないものなんだと。
だから、そういうことやっている人たちに明るい未来はないから、
「世の中が目まぐるしく動いているのに自分は・・・という焦りを覚えている心ある技術者は、全力で受託開発の会社から逃げ出す準備を整えたほうがいい。」
という。
この内容は、わからなくもないし、そうは言ってもというところもある。
家庭も大事にしたいし、趣味も大事にしたいなんていう、そこそこのエンジニアを目指す人には、どうでもいい話だろう。受託開発の方が忙しさの波を読みやすいし、専門知識があれば狭いコモディティをもてるので、快適に暮らせる。
ただ、そこに顧客満足がないのは事実。
顧客からすれば、出来上がってくるものは予想通りのもの。そりゃ、要件定義が終わった段階で、ほぼ決まっている。顧客のためにサービス精神で機能を追加したところで、余計なことと思われる。
受託開発はいわばエラーをしないことが求められる。
無駄なパフォーマンス的なファインプレーもいらない。
江島氏のいうイノベーショナルな発想は、日本で実績のない選手がメジャーに挑戦に行くようなもの。寝る間も惜しんでプログラム書くのが好きな人じゃなきゃできない。
別に無理して、そんなことをやる必要はない。
自分の出来る範囲のことを、しっかり出来るだけでも立派だよ。
ただ、1つ間違っちゃいけないことは、受託開発で顧客満足を追い求める人がいるけど、顧客満足というものは顧客と飲みに行って仲良くなることじゃない。仕事の面で満足してもらわないと。
受託開発で生きるなら、受託開発を極めないと。
で、SaaSの波とか来ているので、受託開発が衰退してくるのも間違いない。
受託開発なんて、営業していても大変なだけで、面白くないしね。
もちろん、作るほうはもっと面白くないんじゃない。システムが大きくなればなるほど、一部しか見れないし、全体見れたとしても既にあるもののリプレースとか、追加開発だったりするしね。
受託開発でエラーのリカバリーをするより、PKG製品売ってその顧客に対して有効なシステムの活用法を話している方が、何倍も楽しいよ。
江島氏の意見は、受託開発だけしか知らない人には、意味わからない発言かもしれないが、そこから抜け出そうとして今の社会にいる自分から見ると、納得出来る部分が山ほどある。
自分の周りには受託開発のエンジニアが多いが、この発言を意味わからないものとして流すのではなく、今こういう時代が来ているということは、頭の片隅にくらいは、おいておいた方がいいと思う。