寿司職人であれ

ヤマト運輸小倉昌男氏『経営学』にこんなことが書かれている。



セールスドライバーの諸君には、寿司屋の職人になって欲しいとお願いした



小倉氏は寿司屋の場合に一番大事なのは、寿司を握る人の人間性だと考えている。誠実な人柄こそ、お客の信頼を生むものだと。



セールスドライバーが宅急便の配送で1件1件お客を回るときに、寿司屋の職人のような対応をして欲しいというその思いが、今の「クロネコヤマト」を創り上げている。



この考えは、人を育てる上でとても大事だと思う。

「俺の言うことを聞け!」ではなく、1人1人の従業員の個性を尊重している。



これは、リッツカールトンなどの優れたサービス業と同じだ。

ただ、そう口で言うだけではだめ。経営理念とそれがシンクロしないと。



その点も小倉氏は



サービスが先。利益は後。



と、明確に表現している。



ただ、この人が凄いところが「利益は後」と言いながら、そこら辺の事前分析がとてもしっかりしていて、勘に頼っていない。



そういう経営者は素晴らしく、うらやましくも思うが、まあそんなことを期待しても、そうめぐり合うことは運次第。



顧客と接する仕事をしているのであれば、自分自身がまずは寿司屋の職人となることが大切だ。



とは言っても、寿司が好きじゃない人は、この意味わからないだろうな・・・。

別にお金をたくさん払っても、良い職人に出会えるわけでもないし・・・。



自分は、運良くそういう職人達と出会うことが出来ている。

勝浦の大将とか真鶴の大将とか。

人生においては何十年も先輩なのに、こんな若造にも丁寧に接客してくれる。



そういう人たちと接しているからこそ、小倉氏の言う意味が良くわかる。



自分のやっている仕事がファーストフードの店員レベルにならないように、常に気をつけていないと。

そんなこと考えてたら、また寿司を食べたくなってきた。