水族館にある非現実性
こんなことまじめに語るのはどうかと思うが、水族館の価値はどれだけ非現実的な世界を演出できるかにあると思う。
非現実性とはリアリティとは違う。
例えば、スキューバダイビングはリアリティがあるが、水族館がそれと同じものをもとめても無理だから、どれだけ非現実的な空間を作るかが、その水族館の面白さを表す。
まあ、簡単に言ってしまえば、どこの海に潜っても、どこの水族館に行ってもみれないものが、そこにあるかなんだけど。
そういう点から考えると、葛西臨海公園の水族館は面白い。
もうここには何回も来ているが、初めてマグロの餌付けを見た。
これは、ド迫力。狭い水槽の中、2メートル強のマグロがえさを奪いあう。
プチ「DISCOVERY CHANNEL」といったところだろうか。
その他に、ここで面白いのは、「太刀魚」だろう。
他の水族館でこれを飼っているところは見たことない。
また、入場してすぐにある「サメ」の水槽。
イワシと同居させていて、弱肉強食を演出しているが、サメはそのイワシを食べる気配がない。その非現実性が面白い。
ぶつ切りにした餌は食べるのに。すっかり飼いならされている様子。
最後に、ここの目玉は「ペンギン」。
久しぶりにきたら、大分増殖されている。ものすごい数だ。
東京の一角にペンギンのコロニー。これも非現実的。
クリスマスと一緒で、水族館は非現実的だから面白い。
ディズニーランドのクリスマスなんて「非現実×非現実」だから、なおさらだ。
旭山動物園もあれはリアリティを求めているようで、非現実性を演出しているしね。
最近、人が満足するスイッチが非現実性にあるということが、何となく感覚的にわかり始めてきたような気がする。