時間を効率化しても・・・

最近、ハック系の書籍がブームとなってやたらと出てきている。

時間の効率化が主なものだが、質については特に言及していないので、その手の書籍には興味が全くもてない。



時間が効率化して作業量が増えてアウトプットの量が増えるだけならルーチンワークと変わらない。

いかにベルトコンベアを使って工場の稼動率をあげて車の生産台数を増やすかという視点のみで、どのようなコンセプトの車を作れば消費者は喜んでくれるのかということには触れられていなかった。



そこにある1つの壁を越えたのはこの本だと思う。



効率が10倍アップする新・知的生産術―自分をグーグル化する方法

勝間 和代



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読み始めると、最初はその無茶苦茶な生産術に唖然とする。

いきなり取り掛かれるレベルの内容ではない。



でも、読み進めていく上でそれぞれに理由があるから納得できる。



特にその基礎となるのが「空、雨、傘」の理論。



本来、人の行動は「空を見たら雲行きが怪しい。雨が降りそうだから傘を持っていこう。」となるものだが、マスメディアからの情報は、空が抜けていて雨や傘の状態で発信される。ゆえに「なぜ、雨が降るのか?どうして、今日は傘が必要なのか?」という判断の元を考える習慣を失わせるというような内容。



良質なインプットは自らの体験から導き出される。

例えば、店頭のディスプレイや街の看板など。





そういう感性からのインプットを重視している著者だから、自分はこの本に共感できたんだろう。

更には、月に100冊読む読書家であることも。





何となく、今まで出版されてきた自己啓発書とか、日経アソシエの特集なんかは、出来ない人に合わせてレベルの低いテクニック集が多いが、ステージが1つ違うこういう人の書くものは、多少ぶっ飛んでいて面白い。



やっぱりマッキンゼー出身っていうのは凄いもんだ。