今後の人生に大きな影響を与える気づき-「マネージャーとリーダー」
ちょっと固い話だが面白いことに気づいた。
その気づきのプロセスとして、以下の3つが見事に融合した。
・自分のリーダーシップスタイルについて考えていたこと
・10コ年上の会社の人と飲んでいたときのこと
・ハーバードビジネスレビュー(HBR)に書いてあったこと
偶然の一致。
キーとなるのはマグレガーの「XY理論」。
余談だが、OMさんの最近のブログも「X理論」だったのが驚きだ。
X理論
「人間は本来なまけたがる生き物で、責任をとりたがらず、放っておくと仕事をしなくなる」という考え方。この場合、命令や強制で管理し、目標が達成できなければ懲罰といった、「アメとムチ」による経営手法となる。
Y理論
「人間は本来進んで働きたがる生き物で、自己実現のために自ら行動し、進んで問題解決をする」という考え方。この場合、労働者の自主性を尊重する経営手法となり、労働者が高次元欲求を持っている場合有効である。
〜ウィキペディアより〜
ことのはじめは、自分のリーダースタイルについて考えていたことだった。
自由奔放に仕事をしていたことと比べて、最近は組織目標も意識しながら働いている。
ただ、組織目標を実現するためには、ビジネスプロセスをつくり、それに部下を従わせることが必要となる。
しかし、今までの自分のリーダーシップはそんな組織目標とは関係なく、従業員の自己実現を尊重するもの。
その狭間に立たされて自分の中で葛藤が続いていた。
そう。
この理論を知っている人は気づいていると思うが、前者が「X理論」。後者が「Y理論」。
そんな中、ここ最近うちに入社してきた元リクルートの鬼軍曹的な人と飲む機会が。
その人がそれについて簡潔に教えてくれたのは、「現場の上司はX理論。Y理論は外部の人じゃなきゃダメだ」と。
本当にそうかは、その時点では懐疑的。
マズローを読んだ人は誰しも「Y理論」を信じたいものだ。
だから、葛藤が生じる。
意外と「Y理論」を指示しながら、自己啓発をやりなさいと「X理論」的な態度で人に押し付けることなんてしょっちゅう。
意味分からない。
だが、奇跡的にその回答が翌日読んでたHBRに。
これこそセレンディピティ。
答えは、大筋でその人の言うとおり。
「X理論派」は機械的で感情無視でルールを守らせるマネージャー向き。
「Y理論派」はルール無視の感情重視なリーダー向きだと。
つまり、マネージャーとリーダーの2種類が必要なのは組織の定石。
この説明だけだと、リーダーは組織に属している立場なのでその人の言うことと矛盾している。
が、リーダーは組織の秩序を無視するくらいじゃないと人を育てられないんだと。
でもって、リーダーとは組織上の役職じゃない。
組織内外から認められる本物のリーダーのことを指す。
で、ここからは持論だが、
「X理論派」は管理されなければパフォーマンスを発揮しない。
放置されると指示を求めたり、路頭に迷ってしまう。
なぜなら、管理する人こそが自分の目指す上司像であるから、部下になった場合は上司にそれを求めてしまう。
逆に「Y理論派」は他人から管理されると嫌気がさしてしまう。
ただビジョンに同意させ放置すれば最高のパフォーマンスを発揮する。
その事例としてHBRでは工場長と研究所長を比較している。
ここで全てを定義づけるのは危険だが、少なからずとも「Y理論」を支持する自分に合う部下は、やはり「Y理論派」になる。
「X理論派」は自分の下だと具体的な指示を受けれず、路頭に迷い、やがて不満を漏らすだろう。
振り返ると、これは実際に自分がリーダーやって体験したこと。
過去にプロジェクトで10名ばかりと一緒にいろいろやっていた。
X理論派は放置するリーダーの真意は理解できず、そこでは活躍できなかったが、今でも何となく組織に残っている。
Y理論派はリーダーの意向に賛同し自らも成長していったが、組織の矛盾点に従うことなく退職していった。
今更ながら結果論だが、メンバーを構成する際にこの理論に気づいていれば、
またメンバー構成は変わっていただろう。
実体験を基に話しているので、それを分からない人は、ベンチャー企業に属する人と大企業に属する人達の考えが相反することを想像してほしい。
そのプロジェクトはベンチャー的思考で進めていたんだからそうなったんだろう。
ただ、大切なのは、その両方をバランスよく消化していくことだという。
それを示しているのはマズローだし、マグレガーが晩年に示したZ理論となる。
そして、まだそのプロジェクトのメンバーは若かったので、両方を受け入れるバランスがなかっと思う。
マズローばかり見ていたが、その基となる理論まで掘り起こすとより理解が深まる。
これにより、自分自身ベンチャーに属するなら今のままのスタイルでいいし、大企業に行くなら別のスタイルに変えたほうが上手くいくという確信も持てた。
そして、それらを更にバランスよくさせていかなければならないことも。
これは、自分のキャリアを考える上で、最も効果的な発見だと思う。