500円でこの本を買う価値-『スタバではグランデを買え!』

タイトルは面白い。じゃあ、中身は?



スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

吉本 佳生 (著)



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もともと買う気のなかった本だが、ブックオフの2冊1000円キャンペーン、そしてダイヤモンド社からの出版という理由で購入。



内容としては、タイトルにあるように世の中の仕組みを解明するもの。

『さおだけやはなぜ潰れないのか?』よりも、実地調査などのデータもありしっかりしている。

ゆえに参考になることがとても多いが、内容が固くとても読みにくいのがネック。



1600円という価格で買えばそれなりに本気で読んだかもしれないが、

軽く内容を読んで判断すると、時間損失と比較して斜め読みの方が効率的だ。



と、簡潔ながらこの書籍を買った背景と、読書時間について書いてみたがこれらの法則は本書に記載されていること。



この書籍の内容からとると、残念ながらこの1冊は自分の中で500円の価値しかないこと。

そして、同じ時間を別の1冊に当てはめたほうが500円をドブに捨てても価値があること。



でも、斜め読みながら読んで思ったことは、少なくとも500円以上の価値は充分にある。

本来書籍はあたりはずれがあり1行でも心に残れば、それで価値があると思っているので、

たとえそれを1600円で買ったとしても、充分にその価値はあったと判断しただろう。



何で、こんなことを書くのかというと、このような合理的判断が本書の中心であること。

ただ不満なのが、この1冊には経済学からの視点から見ているので消費者の「心」という視点がない。

詳細に読んでいないのでなんともいえないが、この理論を元には「ブランド」の意義は図れないんじゃないかな。

むしろ『行動経済学』や『ヤバい経済学』のように人の心理は、判断に大きく左右する。

経済学なんてそんなもんだと言われればそうだが、個人的には心理的なものを好むのでしょうがない。



その心理的なものが働いた行動を、それに見合う対価がそっちにあるという一様な片付け方はよろしくない。

世の中のプランナーはそれぞれの場面において、その心理を探るのに四苦八苦してるんだから。





とまあ本ブログでは本書には批判的意見だが、合理性を求めるのであればこの本は納得できる。

実際にどの章の内容をとっても参考になる。

相対的に他の本と比べても充分1600円の価値はあると思うよ。