20の方か?80の方か?

自分探しの続き。



http://naotake.blog.drecom.jp/archive/375




・ありのままの自分を受け入れてもらえる環境

・みんなで一体となり助け合うことで頑張れる環境



という「自己啓発的」要素が最近好まれる傾向であるらしい。





今いる環境が楽しくなくなると「自分探し」という意味がよくわからない言葉で、次から次へと環境を変えていく。

(ここでは「自分探し」=「自己啓発的」環境と捉えている」)



前回のブログでは未成熟な人が未成熟な環境にいることの居心地のよさを書いたが、そのような環境を求めるのはそれだけではないと思う。

(別に未成熟な人間を否定しているわけではないことはご理解いただきたい)



ロジャースのイノベーション理論でいうと、アーリーアダプターないしはアーリーマジョリティくらいの層がこの傾向にあるのではないかと思う。



でも、それは最近に限ったことではない。

時代が変わろうとも好奇心あふれる若者が極端に増えているわけではない。



市場を見ると、バブル以前の日本は高度成長期だったので、ほとんどの企業が成長の真っ只中であった。



それが、バブルがはじけて景気が悪くなるとどこの会社も保守一辺倒。

成長どころか、倒産の危機がすぐ目の前にある。



『起業家2.0』において佐々木俊尚氏が、バブル崩壊が若者に大企業神話の崩壊を植えつけたとあるように、日本の企業は若者から見てどれもつまらないものに見えるようになってしまった。



アーリーアダプター層が求めるのは、あきらかに希少な成長中の企業。

何となくまとまってしまって、上司が何階層もある企業では自分のやりたいことは一切やれない。



自分はその時代のことはしらないが、多分団塊世代くらいの人達が若い時は、日本の多くの企業が成長中だったろうから、忙しいがそこそこの給料と満足感を得られたんだろう。



自分の父親も映画とかテレビなどのメディア関係だったので、そんな雰囲気だった。

子供が3人いて東京で一軒家で車もあってなんて生活は今では考えられない。



昔は、成長中の企業で一生懸命働けば、仕事における満足と報酬の満足の両方が得られた。

ただし、今の時代どこの企業も既に熟してしまっているので、そこそこの報酬しか味わえない。



それで、そこそこの報酬くらいだったら、そんなの捨てて精神的満足が欲しくなるのは当然だ。

行動派のアーリーアダプターは即行動に移すんだろう。

給料が少なくても「仲間意識の強い楽しい職場」の方が面白い。



ただ、ベンチャーが育ちにくい日本の土壌では、成長しているという実感は何年も続かない。

すると職を変え、やることを替え「自分探し」で放浪する。



常に成長を続ける大企業が少なくなってきたんだろうか。

こうして考えると、報酬が安定し、自分自身がその会社の成長に寄与していると実感できるところこそが、皆の精神を満足させる。



例えば、任天堂とかトヨタとかはそんな感じなんだろう。

でも、任天堂もSONYにやられた時は、みんな悲壮感を味わったんだろう。



不思議なことに、大企業こそワークライブバランスを大切にし、残業ゼロを目標とする。

ただ、そこに自己啓発性があるかというと、そうではない(だからおかしい)。

みんなで一緒にやることに喜びを感じる人にとっては物足りない環境だ。



優良企業に入れば入るほど、ビジネスプロセスがしっかりしているから、若い人間ほど雑用的な役割が割り振られる。

こういうところへの満足は、結婚とかしてプライベートを充実させたいときにこそ満たされるもんだろう。



個人的には、小さな企業で自己啓発が出来る企業には80対20の法則が働いていると感じる。

2割の稼ぎ頭がガツガツ稼いで、残りの8割はワイワイやっている。

新人に稼ぎを求めず、3年は教育と謳っている企業もこういう感じだろう。



こんなに、自己啓発系を求める人達には窮屈な時代になってきているんで、早いこと大人になって稼ぎ頭の2割に入る方を目指したほうが今の時代はいいと思う。

自己啓発系が増えるなか、逆にそういう若手は重宝されるんじゃないかな。



上司の勝手なわがままで教育と称され、会社辞めるとうらまれるよりかはましだよね。



結局、社会で子供の論理は通じないんだよ。