脳の癖を変えることのストレス


「発想法」がテーマ。
さらりと読める割には、とてもヒントとなることが多い。


発想としてありえないのは、本書でウンコ系ユニークと呼ばれるユニークさだけが売りの、全く他の要素を無視したKY的な発想や、あくまでも自分だけの視点が中心のオレ流ユニーク。特に後者は、よくあるパターンだ。特に経験が浅いと、この罠に陥りやすい。


そんな中、本書はサブタイトルにあるように「脳内経験」にフォーカスをあてている。よい案を出すには、様々な視点を脳内で経験する点がポイントだとか。


「創造」に対しては、様々な本で「知識の融合」のように説明されている。知識と知識が脳内で融合され形を変えてアウトプットされてくるというように。この発想法だと自分の頭の中に知識を溜め込まなければならないので時間がかかる。経験という意味でいうとなおさらだ。


そこで、出てくるのが「脳内経験」だ。1つのテーマに対して、様々な視点からあたかもそれを体験したようなことを想像してみる。そうすることで、何かしら見つかるかもしれない。少なからずとも「オレ流ユニーク」的なものは避けられる。


本書にもあるように、案というのはあくまでも「脳」から出てくるもの。「知識」から出てくるものではない。すごい発想力を持つ人と普通の人の違いはここ。普通の人は「知識」というデータベースを集約し組み合わせたことに満足する。


オレ流視点 < 知識データベースの集約 < 脳内経験


今、自分自身が発想するときのやり方はどれにあたるのか?
脳内経験は少し手間がかかるが、何事も慣れだ。


以下、本書にあるメッセージ。


変わることのストレス。変わることのよろこび。


脳の動きは癖があるからそれを変えるのは大変だけど、やる価値は充分にある。
だから「脳」って入っている本はとてもよい刺激になるので、ついつい読んでしまうんだよ。
本書はある意味、脳の動きを変えてくれる本に値するね。


自分もまだまだ変える余地があると痛感した。