派遣 VS 正社員


そんな感じの論争が多いが、それは今だけの問題であるような気がする。
近い将来は正社員も非正社員も待遇の格差はなくなってくる。ここ数日の間にワークシェアリングを率先するような企業が出てきており、それはその兆候。オランダでは正社員と非正社員の雇用条件の差がほとんどないからこそ、ワークシェアリングが成功していると言われている。人間どっちもどっちなら、半分自由に自分の時間を使った方がいいに決まっているし、無理してその企業にしがみつく必要もない。


そもそも労働組合も意味がなくなりつつある。ビッグスリーが衰退したのも労使交渉による高い賃金により、それが製品価格に反映したのも1つの理由。製造業はストライキが起こってもまだいいが、航空会社のように直接的なサービスを売りにする企業でのストライキは売り上げに大きく影響する。一方、低価格を売りにするウォルマートなんか、従業員に対しての扱いがひどいから、しょっちゅう訴えられているが、企業としては好調だ。


一労働者として給料があがるのはいいが、一消費者として生活費があがるのは困る。
どちらがいいのかは微妙だが、少なくとも日本ではGDPの成長率が低下している中、所得は増えそうもない。そうすると消費者はできるだけ安いものを買うようになるので、固定費をさげられず商品価格も高い企業は不利になる。


今回の不況で、各企業は派遣社員など人権費で削れるところは削りきってしまった。そしたら、後は正社員の福利厚生費とかそういうものが切られていく。この不況が長引けば長引くほど、これらの費用は削られていく。それはそれで旧体質の文化が一層されて、ワークシェアリングとか新たな文化が出てくるチャンスかもしれない。


ニューノーマル―リスク社会の勝者の法則

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暴走する資本主義

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週刊 ダイヤモンド 2009年 2/7号 [雑誌]

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