人脈力を読む

いろいろな人のブログで紹介されていたので読んでみる。人脈に関する本はいろいろ出ているが、そのほとんどが主観的なものばかりの印象だったが、現在はヘッドハンターとして活躍されているとのこともあり、納得する部分がとても多い1冊だった。



特に、印象に残ったのがこの1文。

多くの人は実際の成果物や成績の優秀よりも、逃げない姿勢や、失敗から学んだことを次に活かす能力に対して信頼を寄せてくれるものです。


このような人脈に関する本を読む人のほとんどが、今の人脈には満足できず、どのようにすれば多くの人脈を作れるかいうことに悩んでいる人だと思う。本書の著者もMBAやマッキンゼーなどの経歴があり「人脈は自然とできるもの」なんて書かれたら、他の本と変わらないように思えてしまうかも知れない。そんな中、この1文は実績も何もない新入社員でもできること。1つ1つの努力の積み重ねによって得た信頼からチャンスはつかめるという。


そして、もう1点要チェックなポイント。

「人脈のパラダイムシフトがはじまった」
・企業の組織寿命が短命化し、個人のビジネス寿命の方が長くなる
・組織は定常型組織から、プロジェクト型組織へと移行する
・人はクリティカルワーカーとルーティンワーカーに二極化し、ルーティンワーカーはの仕事はグローバルな労働力に代替される
・リファレンス文化が普及し、所属組織名の評価から、個人の実績、仕事ぶり重視へと評価の質が変化する


これは、この不況の中、徐々に顔を出している状態で、かなりリアリティのある話なので実感できる。市況が悪くなり各企業が名ばかりで何もしない高給取りの整理に取り組み始めようとしている中、逆にコツコツと実績を積み上げてきた人にはチャンスかもしれない。


ちなみに、ちょうど1年前にも『レバレッジ人脈術』にて、人脈とはわらしべ長者みたいだということを、ちょうどブログに書いていた。この例えは本書も一緒だったようだ。
http://d.hatena.ne.jp/naotake1974/20080309/1205073952


天から与えられる瞬く間の成功はほんの一握りの運のいい人しか手にすることしかできない。全ては実績の積み重ねであり時間がかかるもの。いつか来るチャンスに備え準備し、チャンスを得たらそれを確実にものにする。人脈とはまさにセレンディピティの積み重ねと例えるのが最もかも知れない。


※過去に書いたセレンディピティについてのブログも、本書の内容とだいぶつながっていたようだ。
http://d.hatena.ne.jp/naotake1974/20080418/1208445673
http://d.hatena.ne.jp/naotake1974/20080608/1212927949


レバレッジ人脈術

レバレッジ人脈術