未曾有の経済危機下における考え方いろいろ

未曾有の経済危機といわれる中、当然そういうのが始めての経験となる人が多いと思うが、流石に経済学者の意見はそのまま鵜呑みにしたところで正しい解が得られるわけではないが、過去を研究している人たちだけあり、参考になる情報が多く得られる。特に仕事に対する考え方は一理あると感じる。そんなことを軽く紹介。


で、不況になるとビジネススクールの受講者が増えるという。理由は明白で、景気が良いときは仕事自体に多くのチャンスがあり、時間を仕事に使ったほうが成果が出しやすいし得るもの(特に成功体験)も多いが、不況下では努力が報われないことが多く、そういう時こそ、将来の投資と考え学習することが有効と考える方が合理的だからだ。昨今、ワークライフバランスや残業ゼロという言葉がキーワードとして溢れているのもこの傾向が強い。


スキルアップという考え方がある一方、不況下ではいろんな経済学者が起業の価値を述べている。野口悠紀雄氏がいうには、不況下では初期投資費用が抑えられるうえに、最近はウェブ上にフリーのツールも多く起業しやすい状況であるから、現状は起業の障壁が低い状況だという。


また、池田信夫氏は起業は「金儲け」の手段ではなく、やりたいことをやるための選択肢ともいう。特に、旧来の人事制度が限界に来ている日本社会では、会社に属することのメリットが少なくなったので、なおさら起業する人も増えるのではと。


このところ、週刊ダイヤモンド東洋経済などで社会起業家の特集が組まれるなど、起業に対する注目も集まっている。ここら辺はあまりよくわからないが、日本の法制度ではベンチャー起業がマイクロソフトやグーグルのように爆発的に伸びるためにはまだまだであり、やはり大成功の確率は低いという(法人税とかが高くて儲けても税金で持ってかれるので投資額が減るとか)。


会社にいても先行きわからず、金儲け目的で起業しても成功の確率が低いなら、割り切って社会起業家として、そこそこの収入でも「やりたい仕事」をしたり、世の中のためになっていると思える仕事の方がよいというのは納得できる理由だ。もちろん冒頭にあげたスキルアップに対しても転職など、やりたいことを選択するための術となる。そういう意味においては、既に転職してベンチャーに属している人や起業している人は、あまり不況なんて関係ないなんて思っているかもしれない。


今回の不況の大きなポイントはやはり、大企業に属することの神話が崩壊したということ。組織社会から個人社会に転換していくというのは、ちょっと面白くなりそうな気がする。実際、ECサイトを見ても大手のチェーン店よりも安いものが手に入る店があったり、安い設備投資で美味しいものを提供する立ち飲み屋がいろんなところにできたりなど、大量生産さらたものに飽きてしまった消費者も恩恵が受けられるものも多くなって来ている気がする。


これからは個性が注目される時代となるということは、明るい未来のように感じる。ただし、誰にも頼らず自立した行動様式も求められるので、自分で将来を考え、それにあわせたスキルアップは必要となり、自ら行動を起こせない人には厳しい現実にもなりえる。自己投資がより重要になるとともに、自らもそういう雰囲気のある立ち位置を見つけることも必要だ。なんでも、電車に乗っている人が何をやっているかの割合を見れば、大抵のその地域の活性度合いはわかるらしい。少なくとも、ぬるま湯につかっていないかくらいは気づかないと。