模倣の優位性


既に絶版になってるんだろうか、アマゾンでは手に入らなかった1冊。たまたま、自由が丘のブックオフで発見したので購入。(昔買おうと思ったらアマゾンのマーケットプレイスで5000円くらいだったので諦めていた)


創造的模倣戦略―先発ブランドを超えた後発者たち

創造的模倣戦略―先発ブランドを超えた後発者たち


市場に新たな製品を投入しても、それを普及させるのは、とても困難。意外と世間で有名なシェアNo.1製品は実は開拓者ではなく、追随者だったりすることもあり、本書はそこに焦点を当てている。


市場の開拓者は有利なポジションやブランドイメージ植えつけるのに有利ではあるが、逆に認知されていない新たなものを投入するための広告費であったり法的障壁を乗り越えるのに、莫大なコストを要することがある。2番手以降の企業としては、開拓者が整備した市場にて、かつ開拓者の体力がなくなってきたときに参入することで、少ないコストでシェアを奪うことが出来るという。


何となく本書を読んでいて、思い浮かべたのはウィルコムの事例。スマートフォンの市場を開拓するも、あっさりとiPhoneにそのポジションを奪われてしまった。本書によると、模倣して成功する企業はA低価格B模倣・改良C市場力のいづれかにて、そのポジションを奪うという。本事例においては?におけるiPhoneアプリによる利便性とCのアップル社の市場力で、瞬く間にひっくり返されている感がある。


模倣というと低価格戦略がよくあるパターンだと思うが、大企業だとブランド力で一気にひっくり返せる。一方、ユニクロヒートテックに対しては、模倣製品が出ているが追随出来ていないのは、なぜなのかと考えると、ABC共に上回ることが出来ないからだろう。


1996年に出版されたものなので事例は古いものが多いが、最近の事例に照らし合わせて考えると、とても参考になる1冊なんじゃないかと思う。