店舗×非契約=ブランディング

このようにサービスを定義してくれる本は面白く、興味のあるところなのでありがたい。



サービスブランディング―「おもてなし」を仕組みに変える (単行本)

博報堂ブランドコンサルティング (著)

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これは、事業戦略のポイントを「店舗・無店舗」、「契約・非契約」の2×2の軸で解説している。



例えば、「店舗・非契約」は吉野家。「店舗・契約」はティップネス河合塾

「無店舗・非契約」は一休.com。「無店舗・契約」はオイシックスとなる。



サービスがテーマとなると、ウェブ店舗やリアル店舗など、自分が最も興味のある分野になってくる。

一時期、イノベーションという言葉がはやったが、それはものづくりを中心とする製造業にあてはまるもの。



ここ最近はアップル社や任天堂イノベーション的だが、それほど市場を破壊するものが頻繁に出てくるほど日本の企業は強い感じがしない。

むしろ、WEB2.0ブームの影響もあると思うが、インターネット上で便利なサービスを立ち上げることの方が注目を集めている。



製造業からサービス業に注目がシフトしている今、そのキーワードとなるのは既にイノベーションではなく、「おもてなし」という言葉に移りつつある。



で、サービスにおけるブランディングについてだが、もうこれは「こだわり」としかいいようがない。

それは、ワタミの渡邊さんのような”典型的”なおもてなしという方法もあれば、吉野家のようにアメリカ産の牛しか使わない味への一貫性など幅広い。



特に「店舗・非契約」の形態は1つの「こだわり」を、どれだけメッセージとして発信できるか。

これは、商品のブランディングと同じだ。商品のブランディングには「こだわり」と「ストーリーテラー」が必要。



飲食店などを起業するのであれば、起業する人のこだわりを、どのようにメッセージを発信するかや、来客していただいたお客さんに伝えられるかが、とてつもなく大事なポイントとなる。



特にサービス業は製造業と違い、起業するのは簡単。

ただ、その分競合が多いので、いかに差別化できるかがポイントとなるんだろう。



いまや、サービス業というのはかなり幅広い業種で定義されている。

システム開発だってサービス業であり、「ものづくり」ではない。

本書は、サービス業を志すなら、とても参考になる一冊となると思うよ。