リストラが止まらない

IBMが1000人をリストラするらしいっすね。これは驚き。
それも主に、自動車関連の事業が中心だという。日経ビジネスに書いてあったが、バブル不況時と違って、今回の不況は事業部毎などという縦割りのリストラ(事業整理)が多いらしい。


IBMもその類。こうなってくると、ホワイトカラーだとか派遣だとか部長とか課長とか関係ない。仕事が出来ないひとは当然、片っ端から切られていく(事業部単位といっても優秀な人は当然、他の事業部に引き抜かれるからね)。


一方、このリストラに注目なのは、IBMといったら単価の高いコンサルタントとかSEとかが、わんさかいるはずだけど、そういう人達が対象であること。これまでの不況というのは今回のトヨタしかり製造業が多く、主に工場閉鎖やレイオフなんて形で行われてきていたもの。何となく日本の産業がサービス産業にシフトしているということが垣間見える。自分も昔SEやってたからわかるんだけど、SEやっていると何となく専門職的な意識が芽生えてしまう。


専門職ならリストラの影響を受けない思いが、就職時にはあったけれども、事業自体がアウトならその辺の保証はないかも。何となく感じていることとしては、どこのシステム開発会社も人が年を取りすぎている。意味なくやたらとプロジェクトマネージャーという肩書きなのが出てくるわりには、どれもこれもまともな仕事を出来る人がいない。システム開発会社の不可思議なところは、専門職であるにも関わらず現場にこだわる人が少なく、みんながみんなとっとと現場から離れてマネージメント職をしたがるんだよね。そんな理由かよくわからないが、数千人規模の会社なのに、3分の1が管理職なんていうシステム会社もあった。


前にもブログで書いたけど、こういう人達がたくさんいてリストラ出来ないとなると、当然派遣社員がカットされたり、新入社員を採用しなくなったりする。自分はリストラは反対ではないが、無能なおっさんを残して将来有望な人たちをごそっとカットするのは、あんまりよろしくないと思っている。


http://d.hatena.ne.jp/naotake1974/20080921/1221986937


特に派遣社員は人が嫌がる仕事を基本的にやってくれる。派遣社員がいなくなるとその雑用を自分達でやらなければならなくなるが、大抵やらされるのは若手社員。ただ、若手のスキルアップを考えると、そういう雑用は頼みにくい。半日ひたすらコピーとか、丸2日間リストの間違いチェックだとか。そういう雑用を普通に若手社員にやらせる会社はあんまりよろしくないね。中にはそういうのを頼みにくいから自分でやる人もいるけど、細かい雑用が増えると生産は当然落ちる。雑用は1人に集中させてまとめて処理してもらった方が効率的にいいからね(雑用、雑用といっているが、企業にとってはとても大切な仕事。ただルーチンなだけ)。


そんな中、今回のような縦割りのリストラは若手や派遣などを切っていることもあるかもしれないけれど、必要不可欠な人を意味なく切るよりかは効果的だと思う。実際自分も派遣社員のリストラを身近で経験してとても苦労し、その時はありがたみが心底感じたもんだ。別に細かい仕事は全てを把握する必要ないし、覚えても大抵ころころ変わる。そんなのを新入社員から部門長まで全員が覚えるのは、あんまり好ましいとは思えない。


そんなのが、バブル崩壊で日本が経験した貴重な体験なんだとか。不況でどこも新卒採用しなかったから、今やどこの会社もバブル全盛で採用した無能な40代はわんさかいるが、30代の社員は少ないという(ここ最近、仕事で他社の40代のおっさんに説教する機会が多いのは、そのせいか???下の代がいないので、コピーばかりやってたら、いつの間にか30代っていう人が多いんだろうか。)。優秀な若手を育てたいのであれば、今こそ今の椅子に張り付くことだけしかしないおっさん達をはがしたり、むしろ派遣社員をやとって人が伸びるような仕事をさせてあげることが大事だと思う。これから日本社会の成長率はそんなにあがらないと思うので、事業の撤退や再編などというように循環していくんじゃないかな。そういう会社が強くなるような気がするね。